きょうのよしむら

不定期連載

「君の名前で僕を呼んで」とよしむら

どうも、送った「誕生日おめでとう!」のメッセージが、数ヶ月経った今も未読のまま、でお馴染みのよしむらです。

 

多分、相手のスマホが爆発したのか、相手自身が爆発してしまったかだと思いますが、もはや確かめる術はありません。知らない方がいいこともある。

 

さて、そんな寂れたプライベートのエピソードなら尽きない僕にはいささか辛い内容だった映画がこちら。

 

f:id:yoshimura0204:20180510085002j:image

 

君の名前で僕を呼んで」を見てきました。

 

80年代のイタリアを舞台に、17歳のエリオと24歳のオリヴァーのひと夏の交流を描いた作品で、まあ、このエリオもオリヴァーも男性なわけで、いわゆるLGBTものと言えるようなものなんですけど、この映画の凄いところは余計な障害や葛藤がなく、ごく当たり前な恋愛映画なところ。そして、ごく当たり前な恋愛映画なのに楽しめたことでしょうか。

 

教授である父の元へ夏の間だけやってきた年上で体格が良く、内面も自信に溢れたような憧れの男性像であるオリヴァーに惹かれていくエリオの恋心は、実に衝動的で青いものですが、それ故に誰しもかつて経験したような、10代の頃のただ真っ直ぐな心情や、ロジックに寄らない突然恋に落ちる感覚を想起させるものとなっていて、観客のセクシャリティを問わず共感できる内容になっていたと感じました。

 

正直、観る前は雰囲気映画になってやしないか若干危惧しましたが、あまりダレる展開もなく、映像はもちろん、セリフ回しとかも良かったし、なにより感情描写が丁寧。個人的には好みなテイストで良かったです。

 

とうに失ってしまった純粋な気持ちを少しだけ思い出したような気がしました。同時に今の自分の残念なアレコレに落ち込む…。まあ、あと5年早く観ていたら、きっと今以上に落ち込んだだろうし、辛かったかもしれないけど。良くも悪くも大人になってしまったわけです。

 

まあ、丁寧が故のややスローな展開、一面クソ緑な美映像に上品なBGM、なによりもトンデモなイベントは何もなく、マジで普通の出来事しか起きないので、退屈に感じて脱落してしまう方もいるかもしれませんが。後ろの席のおじさんはぐっすり寝てしまい、後半にはイビキをかいていました。

 

イタリアの美しい風景の中で繰り広げられるノスタルジックなストーリーに浸りたい方はぜひBlu-rayをお買い求め頂くか何かしてご覧ください。

 

あ、一応お伝えしますけど、エロを期待して観ても大したシーンはないので、汚れた心を持った皆さんは回れ右をして、一旦冷静になってからどうぞ。

 

余談ですが、この映画を観たのが平日夜のオフィス街だったので、周りの観客もサラリーマンとかOLっぽい人ばかりだったんですけど、あのラストシーンなだけに、観客全員がどんよりした表情でため息つきながら帰っていったんですよ。一方自分は、そんな観客たちの姿がなんかシュールで思わず笑いが込み上げ止まらず、マジで感情バグってんなと我ながら悲しくなりました。以上です。